Eclipse Mars (Eclipse 4.5) リリース ―― Luna から Mars への飛躍

Eclipse Mars Site

Java 開発環境の新バージョン、Eclipse Mars がリリースされた。年に一度のリリースということで、他のサイトでも大々的に取り上げられている。NetBeans ユーザーも IntelliJ ユーザーも一度比較をしてもらいたい。

Eclipse Mars における機能追加

Eclipse Mars は、Eclipse 4.5 とその他のツール、プラグインから構成される統合開発環境のコードネームである。これまでの Eclipse Luna からどういった点が改良されたのか、抜粋して以下に列挙する。

  • Docker Tools in Eclipse
    Docker Logo
    Eclipse Mars では Docker との連携を強化。Docker Explorer ビュー、Docker Images ビュー、Docker Containers ビューなどが加わり、Eclipse 上から実行、ビルドができるようになっている。
  • Gradle
    GradleLogoReg
    現在盛り上がっているビルドツール Gradle が Eclipse でも正式サポート。Gradle の盛り上がりに関しては、過去にも本ブログでも取り上げたが、今回のサポートでまた一段と普及が進むだろう。
  • Maven
    Maven Logo
    こちらは以前からサポートされているビルドツールだが、サポートバージョンが Maven 3.3.3 となった。POM 作成時の自動補完機能などが盛り込まれた。
  • Oomph
    Eclipse の新インストーラに採用されているプロジェクト。目的に応じて、インストールするプログラムを選択できるようになっている。
  • Sirius
    Sirius Logo
    ダイアグラム作成ツールのプロジェクト。Eclipse Mars では SIrius 3.0 にバージョンアップしおり、大きな作図での性能・使い勝手が向上している。

Release Train 方式によるリリース調整

Eclipse は、これまで挙げたような各種のプラグインによって構成されている。一回のリリースでこれだけ多くのプラグインを盛り込むのは、かなりの労力が必要であったろうと思う。製品間の機能的な依存関係を解決するには、それぞれのプロジェクトの日程調整を綿密に行わなければなるまい。過去、Eclipse では Eclipse 本体やプラグインのリリース日程を揃えておらず、依存関係のある製品の実現に影響が出てしまった。それが元で現在の “Release Train” 方式が採用されたという話がある。

まずは使ってみて何が良いのか、悪いのかを理解すること

冒頭にも述べたが、Java の IDE (Integrated Development Environment、統合開発環境) には Eclipse の他にも、NetBeans や IntelliJ などがあり、それぞれに一長一短がある。たとえば Oracle の GlassFish 関連の開発をしているのであれば NetBeans を使うとか、Android 関連の開発をしているのであれば IntelliJ を使うのが良いかもしれない。ただ、評判だけで選んでしまうのは、食わず嫌いと一緒である。実際に使ってみて、そのソフトのインターフェースや反応速度の感触を感じてもらった方が、一番機能的な IDE が何なのか、本当に自分に適している IDE が何なのかが理解できるだろう。

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